2014年6月20日金曜日

私の人生を変えたゲーム(2)・「サイキックフォース」・第1回~感情移入~

またも一週間ほど間が空きました。

今回は趣向を変えまして、私の人生を変えた別のゲームのお話。タイトーからリリースされたアーケードゲーム「サイキックフォース」です。

ジャンルとしては対戦格闘ゲームになるのでしょうか。私はあまりその手のものはプレイしない方で、一部例外としては「バーチャファイター」シリーズと、その亜流の、いわゆる「3D対戦格闘ゲーム」を少しやっていたくらいです。

3Dではない一般の対戦格闘ゲームの当時の傾向として、システムの複雑化(ボタンがいっぱい、コマンドが複雑、etc...)があったように思います。それは不器用な私にはついて行けなくて、「バーチャファイター」シリーズのようにボタンも単純、コマンドもわかりやすいシステムの方がとっつきやすかったわけです。

しかし、「バーチャファイター」シリーズといえども避けられなかったのが、どうしてもこの手のゲームは「技の競い合い」に終始してしまう傾向がある、ということでした。

しかし、あるゲームが私の目にとまり、それが対戦格闘ゲームのイメージを私の中で大きく変えることになります。

「『サイキックフォース』?何だ、これ?」

パッと目につくのはアニメと見紛うキャラクター。後にわかったのですが、キャラクターデザインを手がけていたのは大張正己氏だったようです。そりゃアニメと見紛うはずだ。

何となく対戦格闘っぽいので、軽くシステムを確認します。ボタンは少なくて単純明快。必殺技にあたる「超能力技」のコマンドも単純、さほど難しくはなさそうです。

軽くキャラクター紹介を読んで、「お、こいつ面白そう」と選んだのが、時間を操るサイキッカー・リチャード=ウォン。

プレイしてみました。おお、何かすごい。ゲームとしても初心者にやさしい感じがします。しかし、それ以上に今回強調したいのが、「対戦格闘ゲームには極めて珍しい、キャラクターが立ったゲーム」なんです。

もちろん、過去の対戦格闘ゲームでも、ちゃんとキャラクター設定があって、個性的な技を出したり、台詞回しがあったりしたわけですが、「サイキックフォース」の場合、合間合間にアニメチックな演出がちりばめられていて、よりキャラクターの個性が強調されます。

例えば、今回使ったウォンさんの場合、何かにつけて故事成語(特に四字熟語)を引き合いに出したり、紳士的な口調とは裏腹にやることは極悪非道、技の台詞もいちいち格好いい。

私が社長*1に惚れ込むのに、さほど時間は掛かりませんでした(笑)。

他のキャラクターもそうなのですが、ゲームの構成がストーリー仕立てになっていて、おそらくはアニメを強く意識して制作していたのだろうな、と思われます。実際のところ「サイキックフォース」は、アニメファンなどにも広く人気が出て、後のメディアミックスな展開につながっていきます*2。対戦格闘ゲームでありながら、キャラクターに感情移入しやすい、技の競い合いもありつつ、キャラクターへの愛が試されるという、何とも希有なゲームだったような気がします。

続きはまたの講釈で。

*1: リチャード=ウォンの愛称。貿易会社の社長という設定であるため、この愛称がついた。
*2: しかし、肝心のゲーム自体のインカムにはつながりにくかったようです。シリーズの続編である「サイキックフォース2012」もしかりで、続編が期待されながら、インカム不足もあってさらなる展開にはつながりませんでした。

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